7/22(土)に、いわしくらぶ東京店で「ジャズ」「ライブペインティング」「シーシャ」が一度に楽しめるライブイベント「Ami Latte xだいさく Jazz x Live Painting!」を開催します。
ジャズファン以外の方だと、なかなかジャズの生演奏を聴く機会も少なく、「どう聴いたらいいの?」「どう楽しむの?」と疑問を持っている方も多いかもしれません。
そこで、出演するジャズボーカリストのAmi Latte(アミ・ラテ)さんに、ジャズ初心者の方が、ジャズライブを楽しむポイントについて教えてもらいました。
「その時その人にしかできない表現」を感じてほしい
ジャズの譜面には、メインのメロディとコード(和音)だけが書いてあって、それ以外の指定はありません。
クラシックのピアノ譜面だと右手と左手がそれぞれ書かれていると思いますが、ジャズの譜面は単音のメロディーしか書かれていないんです。なので、そのメロディとコードに合っていれば、どんな歌い方をしても演奏をしてもいいんです。
どの楽器もソロパートは基本的に即興で演奏します。ソロパート以外でも、その時の気分で音をアレンジします。
オーケストラのようにすべての音が楽譜に書かれている訳ではなく、どういうアドリブを取るかは、その人がその場で考えています。
譜面は32小節で1セット(1コーラスと呼びます)のものが多いのですが、例えばボーカルが32小節を歌うと、1小節目に戻り、今度はピアノがソロを取ります。基本的には譜面一枚を何度か繰り返して1曲になっています。
ポップスだったら決まりきった「正しいメロディ」しか歌えないけれど、ジャズなら自分なりの表現を織り交ぜられるのでそこが面白いですし、ミュージシャンがどんなアレンジをするのかも毎回楽しみです。
同じメンバーで演奏しても、同じ演奏は二度とできないんですね。だから、「その時その人にしかできない表現」を、楽しんでほしいです。
ジャズライブは、拍手や歓声とともに楽しんで!
実はジャズライブって、観客も拍手や歓声で一緒に場を盛り上げる瞬間がとても多いんですよ。カフェのBGMでしかジャズを聴いたことがないと「ジャズは落ち着いた音楽」と思いがちですが、そんなことはありません。
映画『LA・LA・LAND』でも主人公が言っていましたが、もともとジャズは明るく激しい音楽!なので、「ここ、いいな」と思ったら「YEAH!」って叫んでいいんです。ジャズをよく知っている方は、ライブ中はだいたい「YEAH!」って言っていますね。
叫ぶのはちょっと恥ずかしいという方は、拍手も大歓迎です。ソロが終わった後に次の楽器に移ったタイミングで拍手をするのが基本で、その他のタイミングでも「今の、すてきだな」と思ったら、いつでも拍手をして大丈夫です。
歓声や拍手があると、ボーカルもミュージシャンもうれしいし、テンションが上がります。日本人だと無反応な方が多いのですが、ニコニコしているだけでも「楽しんでもらえてるな」と分かるので、もし「YEAH!」や拍手が恥ずかしかったら、黙ってニコニコしてみてください(笑) ジャズのハコは小さめなので、ステージからも観客の皆さんの表情が結構わかるんです。
お互いの表情を感じながら、演奏側も観客側も一緒に盛り上がれるのはライブの魅力です。それから、ジャズライブでも 「コール&レスポンス」という、ボーカルが短いフレーズを歌ったあとに、そのフレーズを観客がマネして歌うチャンスがあるケースがあります。聴くだけではなく一緒に歌うと、もっとライブを楽しめるはず。コール&レスポンスがはじまったら、ぜひ大きな声で歌ってみてください!
初心者にとってジャズは「難しい」?
ジャズ初心者の方とお話しすると、「興味はあるけれど、ジャズは理解するのが難解」と思っている方が多いように感じます。
私もジャズを聴きはじめた2年前はそうでした。ジャズは、ニューオリンズでスタートして、シカゴやニューヨークに拠点を移しながら、世界的な人気を博していったジャンルですが、その歴史の中でジャズの在り方も変化を遂げているんですね。
初期のジャズは「踊れるジャズ」で、一般の方にも耳馴染みがよくて、リズムや盛り上がりがわかりやすい音楽でした。言うなれば流行歌なので、誰でも楽しめたんです。それが次第に、ミュージシャンたちが高度な音楽を目指して複雑になり、最先端のジャズは前衛的なものも多く、「わかりにくい」と感じる方が多いのかもしれません。
また、ジャズファンの中には音楽理論や歴史に精通した方も多く、そのような知識がないと楽しめない……と思ってしまう初心者も多いのではないかと思います。でも、先ほどもお伝えしたように、ジャズはもともと誰でも楽しめる音楽なので、気負わずにただただ楽しんでほしいです。
7/22のイベントでは、ジャズがはじめての方にも楽しんでいただけるように、幅広い年代のジャズを歌う予定です。ジャズスタンダード曲も含まれているので、聴いたことがある曲もお楽しみいただけると思います。
スタンダード曲というのは、例えば「Fly me to the moon」のように昔からある誰でも知っているナンバーです。スタンダード曲なら演奏者は練習なしでも、その場でキーだけ決めてすぐに演奏できます。
「Moon river」「Over the rainbow」のように、映画やミュージカル音楽からジャズのスタンダード曲になったものもありますね。ぜひ、「ジャズって難しそう」と敬遠しないで、知っている曲、気持ちよく聴ける曲からはじめて、すこしずつジャズの楽しさに触れていただけたらとてもうれしいです。
Ami Latte アミ・ラテ (Jazz vocalist)
1989年北海道札幌生まれ。現在、東京都内を中心に活動中。ジャズボーカリストである母親の影響で幼少期からジャズや様々なジャンルの音楽を聴いて育つ。
2016年第36回浅草JAZZコンテストヴォーカル部門に初出場でファイナリストトップ8に選出される。
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(取材・執筆:高村英里名)